再生可能エネルギー

2011.7.26

再生可能エネルギー renewable energyとは、自然界で起こっている現象から取り出すことができ、一度利用しても再生可能で、枯渇することのないエネルギー資源をいいます。適切に利用しさえすれば、利用する以上の速度で自然に再生するため、将来も持続的な利用が可能です。具体的には、太陽光、風力、水力、バイオマス、地熱、潮汐、波力、温度差利用などがあり、発電、冷暖房、燃料に用いられています。

石油、天然ガスなどの化石燃料は、枯渇性エネルギーと呼ばれ、地球温暖化の原因になっています。そのため、近年、再生可能エネルギーの利用が増加し、2010年の時点では、世界で新設される発電所の約三分の一をしめています。この数字には、大型ダムはlarge hydroは、環境破壊の原因となるため、含まれていません。環境破壊の少ない中小規模の水力発電small hydroが含まれています。

新エネルギーとは、日本のみで用いられている用語です。新エネルギー法は、再生可能なエネルギーを10の種類に分類しています。 グリーン・パワーとは、アメリカで使用されている用語で、大規模水力発電以外の再生可能エネルギーを指す言葉です。外国では、代替エネルギーalternative energyが、再生可能エネルギーと同意語で使われています。

自然界のエネルギーを使ってどのような発電が可能なのでしょうか?
地熱発電は、地下にある熱を利用した発電です。地熱は、地表から100mで約3℃の割合で上昇し、地球中心部では6000度にもなるといわれています。潮汐発電はは、主に河口付近の潮の干満を利用した発電です。海流発電は、海洋の海水の流れを利用したものです。

波力発電は、風による海面の上下移動を利用した発電です。また、海上での風力発電は、障害物が少ないため、風力を効果的に利用することができます。現在まだ実現されていませんが、高度上空の大気の移動を利用することも考えられています。

化石燃料以外に、どのような燃料があるのでしょうか?
薪や炭に変わるものとして、糞燃料があります。動物、主に牛の糞を、太陽熱で乾燥させて、燃料として利用するものです。バイオガスとは、糞尿や廃棄食材を発酵させ、メタンガス発生させて作ります。

バイオエタノールは穀物や植物繊維に含まれるブドウ糖や炭水化物を発酵させたものです。バイオディーゼルは、菜種油(colza oil)、パームオイル、ミドリムシ(euglena)などの油脂を精製して作られる、軽油に近い油です。

火力発電や原子力発電以外に、現在どのような発電が行われているのでしょうか?
水車や風車は、先進国ではあまり見られなくなりましたが、修理が容易なため、発展途上国の農村では、今でも、動力源として広く利用されています。

太陽光発電は、日のあたる場所ならどこでも発電できます。天候の影響を受けること、日没から日の出までの間利用できない等の問題点もありますが、現在開発が進み、コストも削減され、人工衛星などにも使われています。

太陽熱発電は、反射板で太陽光を集め、蒸気を発生させ、タービンを回して発電します。直射日光が多く、平均気温が高く、大面積の土地が確保できる地域に向いています。

風力発電は、年間を通じて安定的に風の吹く地域に有利です。比較的に安価ですが、生態系への配慮が必要で、自然保護区での設置が制限されている場合もあります。

地熱発電は地熱で蒸気を発生させ、タービンを回して発電します。24時間発電可能で、安定した出力が得られます。

小規模水力発電small hydroは、ダム建設とは異なり、小規模な流水を利用して発電するものです。高低差の大きい地形に適している他、上下水道や用水路にも設置できます。

海流発電marine current power は、海流をタービンの羽に受け、原動機を回して発電します。海に囲まれた日本では、今後の開発が期待されます。

潮汐発電tidal powerは、潮の満ち引きによる定期的な海水の移動を利用して、水車を回して発電するものです。

再生可能エネルギーの利点は、半永久的に利用できることです。また、地球温暖化の原因となる二酸化炭素等の排出量が少なく、地元で調達できるため、送電や燃料輸送のコストが削減できます。設備が比較的単純な仕組みであるため、修理が容易で、維持費が安く、大規模発電所に比べて設置が容易です。

多数設置する場合は、地震などの災害時に、一部使用不能になっても、他を使用することできるため、供給停止のリスクを減らせます。再生可能エネルギーによる発電は、化石燃料に代わる新たなエネルギー産業として期待されています。

しかし、問題点もあります。
バイオエタノールは、トウモロコシやサトウキビを燃料に使用するため、穀物の価格が急騰し、食料支援に頼っているアフリカ等の国々に、食料危機を招きました。地熱発電に温水を利用する場合は、地元の観光業への影響を配慮しなければなりません。

潮力発電、海流発電は漁業権との共存が必要となります。地熱発電や水力発電は国立公園内での開発制限があります。また、風力、太陽光発電では、時間や季節による、出力の変動の問題があります。

今後、どのような取り組みが必要でしょうか。
価格、入手性を考え、地域の地形や気候にあったものを選ばなければなりません。供給の安定性、安全性の検討も必要です。騒音や振動への配慮のほか、リサイクル性、廃棄にかかる費用も考えなければなりません。また、将来の供給量の増加や、性能向上の見通し、産業としての可能性も重要な検討要素です。

新たな電力産業は雇用も生み出します。特に、バイオマスは、雇用創出効果が高いと言われています。近年、エネルギーの自給率を向上さすため、再生可能エネルギーが世界で注目されるようになりました。2008年のデータでは、再生可能エネルギーは、全世界のエネルギー消費量の約19%でした。従来は水力発電が主でしたが、近年は、風力、太陽光、太陽熱を利用した発電が増えています。

デンマークでは国の電力の20%を風力発電で補っています。日本は、太陽光発電の年間導入量で、世界一を長年保ってきたましたが、近年ドイツに抜かれました。日本のエネルギー政策の甘さが指摘されています。政府の補助金等の政策が必要ですが、私たち一人一人の環境への関心の高まりが、今後、何よりの推進力となるでしょう。東日本大震災を経験した日本は、世界に先立って、石油や原子力に頼らない社会を作るために、再生可能エネルギーの普及に尽力しなければならないと思います。

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小水力発電
マイクロ水力発電
マイクロ水力発電(マイクロすいりょくはつでん、Low head hydro power)は、小規模な水力発電である。小水力発電(しょうすいりょくはつでん)ともいう。中小河川、用水路、さらにはトイレの洗浄水等、様々な水流を利用して発電を行う。現在日本は、大型のダム開発適地はほとんど残っていないため、今後の水力発電の開発手段として期待されている。

マイクロ水力発電の明確な定義は存在しないが、制度上は200kW未満の発電設備で各種手続きが簡素化されるため、この規模のものを総称してマイクロ水力発電とすることがある。
マイクロ水力発電の利点は、ダムや大規模な水源を必要とせず、小さな水源で比較的簡単な工事で発電できることにある。このため、山間地、中小河川、農業用水路、上下水道施設、ビル施設、家庭などにおける発電も可能であり、マイクロ水力発電の未開発地は無限にある。
マイクロ水力発電は技術上の問題はほとんど解決されているものの、法的整備がほとんど手つかずとなっていた。そのため、超小型のものを除いて電気保安規制、水資源利用規制、主任技術者の選任義務等が大型発電所と同等で規制が大きな負担となっていた。しかし2010年3月31日総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会電力安全小委員会小型発電設備規制検討ワーキンググループがとりまとめた報告[2]により、200kW未満の発電設備に関して、保安規定・主任技術者・工事計画届出が一部または全部不要となっている。
エネルギーの回収手段として マイクロ水力発電は、水源のある場所であれば設置が可能であるため、エネルギーの回収にも利用できる。
具体的には、工場、高層ビル、病院等には、空調、用水、排水のために配管類が巡らされており、水(冷温水)が高い位置から低い位置(地下)までの高低差において循環している。その落下時の水流によって羽根車を回転させ発電を行うことで、電力としてエネルギーを回収することが出来る。現在、日本では1設備あたり9kWの能力のある発電設備が実用化されている。

設置場所
マイクロ水力発電の大きな特徴は設置場所にある。装置が比較的小さいため、ある程度の水量さえあれば設置が可能である。
 農業用水路
 砂防ダム
 浄水場
 下水処理場
 工場排水
 高層建築物(エネルギー回収システムとして)
上記以外にも、様々な場所に設置が可能であり、洗面やトイレの洗浄水で発電する製品も実用化されている。ここから分かるように、ある程度の水量のある場所ならば基本的に利用可能である。

構造
水車のタイプは主に高低差で決定する。水車・発電用水車が詳しい。
 高低差2m以下:開放周流形水車・螺旋水車
 高低差2-18m:プロペラ水車
 中落差5-60m:クロスフロー水車・フランシス水車
 高落差50-2000m:ペルトン水車

特徴
[利点]
ある程度の水量があれば、基本的にどこにでも設置が可能。
ポテンシャルが大きい。中小規模の水力発電を合わせれば、未開発の出力は1212万kW(2004年)とされる。
太陽光発電、風力発電と比較して、天候等による発電量の変動が少ない。
大型水力発電より、生態系を脅かす心配が少ない。

[欠点]
発電規模によっては、大型水力発電と同種の法的手続きが必要なため設置には大きな労力を必要とする。
河川などには落ち葉やゴミ等が流れてくるので、その撤去等のメンテナンスが必要となる。
異常気象等、降雨量が少ない場合に安定した電力が得られないこともある。
設置時の工賃や機材のイニシャルコスト、メンテナンスにかかるランニングコストを考えると、採算性が低い。

http://ja.wikipedia.org/wiki/マイクロ水力発電
檮原町(ゆすはらちょう)の試み
四国カルスト地区に発電用風車2基を設置、得た電力を四国電力に売電して、得た資金を使い町内の公共施設に太陽光発電パネルの設置、梼原中学校に小型水力発電機の設置。
また、地熱利用の温水プールを建設すると共に、町民の太陽熱温水器や太陽光発電パネルの設置、小型水力発電機の設置。
間伐材を利用するペレットストーブの購入などに補助をしており、2009年1月22日に政府より環境モデル都市に選定された。
将来的にはエネルギーの地産地消によるエネルギー自給率100パーセントを目指している.
http://ja.wikipedia.org/wiki/檮原町

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